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『江戸前』を『EDOMAE』に
代表取締役
中村繁久 (左) 大野和彦(右)
徳川幕府によって奨励された江戸湾の漁業は、周囲を豊富な栄養を蓄えた河川に囲まれ、『江戸前』として時の食文化を形成しました。豊富な魚種を捕獲するための多様な漁具・漁法も発達し、今日の東京湾漁業のいしずえを築きました。
私たち千葉県船橋市の漁業は、東京湾の北部海域を主な漁場とし、地先に広がる三番瀬、木更津市沖の磐州、東京都江戸川区沖の三枚洲などの干潟では、多種多様な魚の産卵場となっていました。
第二次世界大戦中の食糧難の時には、東京湾で捕獲される魚介類、特にイワシが関東エリアの人々のタンパク源を確保していたと言われています。しかし高度経済成長期において、東京湾岸の埋め立て開発が進み、多くの干潟が消滅するとともに、多様であった水産資源も絶滅の危機にさらされ始めました。
そんな中、比較的資源量の豊富なスズキ類が船橋の漁業を支え、その水揚高は全国一を誇っています。私たちはその「スズキの価値を最大限に引き出す」べく、漁獲後の魚にかかるストレスを極力押さえ、活〆神経抜きを施し、その鮮度を長く保持しスズキの旨みを凝縮します。それを『江戸前船橋瞬〆すずき』としてブランド化に成功し、2021年東京五輪への提供を目指しています。五輪後のレガシーとなるのは、まさに『江戸前』が『EDOMAE』となることです。
江戸の昔より脈々と受け継がれてきた伝統江戸前漁業を、持続可能なものとして次世代に橋渡しをするべく、2017年より日本初となるFIP(漁業改善計画)に取り組み、2018年にはMELジャパン生産段階認証及び流通加工段階認証を取得し、大都市の中における資源管理型漁業を実践しています。こうした活動を通じて、全国の沿岸漁業の活性化のためのモデルケースとなり、夢を世界に向けて、様々な角度から情報を発信しています。
また深刻な海洋プラスチック汚染問題の改善に寄与するために、発泡スチロールの魚箱や魚を獲る網の原料を、生分解可能な素材に転換するための取り組みや、学校給食を通じての食育活動等の取り組みも開始しております。SDGs2030、17の目標のうち、14番目の「海の豊かさを守ろう」のほか、12番目「つくる責任、つかう責任」、13番目「気象変動に具体的な対策を」、17番目の「パートナーシップで目標を達成しよう」の4つを掲げ、企業の社会的責任を全うし、水産業のみならず広く社会に貢献できるよう日夜努力を重ねております。